
フランスには、小さくても魅力的な街や村がたくさん存在します。絵本に出てくるような可愛らしい街並みや、どこか懐かしさが感じられる素朴な風景があります。そんなフランスの小さな街を散歩するこのシリーズ。今回はロワール地方にあるソミュールにご案内いたします。
太陽の光が眩しく、初夏の香りが感じられる5月の下旬。ロワール地方のソミュールという小さな街を訪れました。ワイン好きの人にはソミュールという名前はお馴染みかもしれません。ボルドーやブルゴーニュほど知られていませんが、ソミュールはワインの産地として有名な場所なのです。
ソミュールの街並み


ソミュールの街には、ロワール地域によく見られる「白やクリーム色の石」を使った優雅な建築物が立ち並んでいます。街から少し外れて場所には、 この地域でよく使用されている建築物向けの石材店があるほど。昔と変わらず現在も石材を建築材料として使っているのだそうです。
ソミュールの街を歩いてみて、感じたことは白色の建物は品があって優雅だということ。ロワール川沿いには多くの城が建てられ、それを中心として街が栄えていった。文化的にも商業的にも豊かなロワール沿いの繁栄が直に感じられるほどです。
ソミュールのマルシェ



ソミュールを訪れた土曜日にはマルシェが立ち並んでいました。街の至る所にマルシェのスタンドが立っていました。地方の街を訪れたなら、必ずはマルシェを訪れるようにしています。その地域の食文化が垣間見れるので、マルシェは旅の楽しみのひとつ。ソミュールのマルシェは今まで訪れたマルシェの中でも、魅力的なマルシェでした。
取り立ての野菜しか販売されない八百屋さんや手作りジャムのお店、朝取り立ての卵しか販売しないお店や新鮮な魚のお店、ここには書ききれないぐらい魅力的なスタンドが立ち並んでいます。
魅力的な食材が詰まったマルシェなので、多くの人で賑わっていました。この街の人だけでなく、近郊の村に住む人たちもわざわざ買いに来るのだそう。私たちもいちごを買って食べてみましたが、新鮮で甘いこと!
ロワール川と銀青色の屋根のパノラマ

マルシェのあとは、小高い丘を登ってソミュール城に向かいます。ロワール川と近郊の街並みをパノラマで見れる場所がありました。
目の前には、銀青色の美しい屋根が連なり、後ろにはロワール川が流れています。初夏の青空の下に広がるこのパノラマの景色は、優雅で美しい。時間を忘れてただただ眺めていたほどでした。ロワール川沿いには多くの城が築城され、それぞれ街や村が栄えていきました。改めてパノラマでロワール川沿いの景色を眺めていると、豊かな土壌に風光明媚な景観がここにはあることに気付かされます。フランスのかつての王侯たちが愛した土地という理由がわかるほどです。
ロワール川の前には、この街の要ソミュール城があります。さあソミュール城に向かいましょう。
ソミュール城

ソミュール城はロワール渓谷の高台にそびえ立ち、旧市街地を見下ろしています。悠然と構えるその姿は、かつての栄華が感じられるほど。優雅で威風堂々としたその外観は、どこかおとぎ話やファンタジーの世界観を彷彿させられます。

ソミュール城は10世紀頃に築城され、13世紀にはフランス王侯の城塞となりました。15世紀にはルイ・ダンジューの館として栄えることになります。しかし、栄華を極めたこの城に不運が流れ始めます。ルイ14世の時代には監獄として使われ、その後は武器庫として使用されることとなりました。現在は、歴史的建造物として市によって管理されるようになりました。

ソミュール城の内部は市立博物館と馬の博物館に分かれています。タペスリーや陶器コレクションなどかつてのフランス王侯の文化を垣間見ることができます。また馬の博物館はフランス国内で唯一と言ってもいいほど、馬術に関するコレクションが揃っています。
ソミュールは、ロワール渓谷の自然、文化的な豊かさを肌で感じられる街。初夏の眩い光と共に、美しい景色が今も心に蘇るようです。