
フランスには、小さくても魅力的な街や村がたくさん存在します。絵本に出てくるような可愛らしい街並みや、どこか懐かしさが感じられる素朴な風景があります。そんなフランスの小さな街を散歩するこのシリーズ。今回はブルゴーニュ地方にあるオーセールにご案内いたします。
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爽やかな風が新緑を揺らす6月、ブルゴーニュ地方のオーセールという街を訪れました。オーセールはパリから車で1時間半ほどで行けてしまう小さな街。オーセールの周りにはシャブリなどのワインの産地や果実園、小麦畑があり、川や森にも囲まれています。豊かな自然が間近にあるというのもこの街の魅力。車でオーセールに向かう間、窓からブルゴーニュ特有の美しい自然を楽しんだほどです。
ヨンヌ川沿いを歩く

高速を降りて少し車を走らせると、オーセールの旧市街地に入ります。オーセールの街に足を踏み入れて、まずハッとするほど綺麗だと感じたのは、ヨンヌ川の景観。旧市街地に寄り添うように、ヨンヌ川は街のすぐ側を流れています。旧市街地を鏡のように水面に映す美しい景色がここにはあるのです。
ブルゴーニュ特有の空気感のせいでしょうか。ヨンヌ川はのんびりとした雰囲気が漂っています。ヨンヌ川は街の人の憩いの場のよう。訪れた時間帯はちょうど夕方。この街の人は夕涼みをするように、ベンチに座り、川を眺め、おしゃべりを楽しみながら、暮れゆく夕日を眺めています。このゆったりとした空気感の中では、日々の忙しさを忘れさせてくれるよう。不思議とリラックスした気分になれたほどです。

ヨンヌ川には船が浮かんでいます。この船は観光船ではなく、この川に住む人たちの船家。日本ではあまりメジャーではありませんが、フランスには、船上生活者が一定の数います。船家の魅力に取り憑かれ、不便さがありつつも、船の上での生活を楽しむ人たちの姿があるのです。
街の重鎮サンジェルマン修道院

オーセールの街で圧倒的な存在感を放つのは、サンジェルマン修道院。街歩きをしていると、遠くからでもその存在が感じられるほどです。
建築物そのものが息を呑むほどの美しさ。建築物の細かい部分に目をやると、彫刻の完璧な美しさに感動を覚えるほど。今のような技術も発展していなかった昔に、どのようにしてこのような美しい修道院を作ったのでしょう。昔の人々の途方もない努力に触れたような気がして、思わず見入ってしまいました。
街を見守る時計塔

オーセールには、15世紀に建設された時計塔があります。この時計塔はオーセールの街をそっと見守ってきました。この時計塔はどうか神秘的。時計の針は太陽と月を表しているのだそう。
残念ながら、私が訪れたときは、改修工事があり、時計塔の姿を見ることができませんでした。いつか直接この目で見てみたいものです。
旧市街地の街並み


オーセールの街には、木組の家が立ち並んでいます。黄色や赤色の木組の家もあり、思わず「可愛い。」という言葉が口から出てしまいました。木組の家があると、どこかメルヘンチックな雰囲気が感じられるのは私だけでしょうか。オーセールの旧市街地は、時計塔もあるお陰かもしれませんが、おとぎ話の世界が飛び出してきたような街なのです。
オーセールは街そのものが美しく、すぐ側に流れるヨンヌ川も情緒的。この街にはのんびりとした空気感が流れていて、周りに広がる自然も含めて、オーセールは、暮らしの豊かさが実感できるそんな街でした。オーセールの思い出を振り返る時、あのゆったりとしたひとときが心の中に蘇るようです。