パリ近郊の緑が気持ちの良い街シュヴルーズ

フランスには、小さくても魅力的な街や村がたくさん存在します。絵本に出てくるような可愛らしい街並みや、どこか懐かしさが感じられる素朴な風景があります。そんなフランスの小さな街を散歩するこのシリーズ。今回はパリの近郊の街、シュヴルーズにご案内いたします。

パリ近郊の緑が気持ちの良い街シュヴルーズの地図
パリ近郊の街シュヴルーズ

 

柔らかい秋の日差しに誘われて、やってきたのはパリ近郊の小さな村、シュヴルーズ。オート・ヴァレ・ド・シュヴルーズ地域圏自然公園内にあるこの村は、RERB線の終点サン=レミ=レ= シュヴルーズ駅に位置します。

イヴェット川の散歩道

シュヴルーズのイヴェット川沿いに並ぶ建物

車を降りて、まずはイヴェット川沿いの散策です。

イヴェット川沿いには、どっしりとした石造りの建築物が佇んでいるのが目に入ります。時の流れと共に、川沿いの建築物は、所々壁が剥がれ落ちたりしていますが、それが美しくも味わい深く風化しているような印象。また、昔の洗い場が残っていたりと、昔のフランス人の素朴な日常を垣間見れることができます。

シュヴルーズのイヴェット川沿いの建物。風化した壁が歴史を感じさせる。

イヴェット川沿いの橋には鮮やかな赤やピンク、紫の花が飾られています。風化された建物は時には寂しくなりがちですが、装飾された花たちが、この散歩道を美しく彩っています。また、イヴェット川沿いには、緑が溢れ、自然がすぐそばに感じられます。歩くだけでリフレッシュが出来て、本当に気持ちがいい。

イヴェット川で見つけた小さな命、色鮮やかなトンボ

川を眺めていると、植物にトンボが止まり、川面にカエルが「こんにちは」と顔を出してくれました。普段の生活では、日常の忙しさからか、なかなか生き物を気に止めることもありません。この時はゆったりとした時間の流れのおかげか、日本とフランス、国は違うものの、子どもの頃によく見た生き物たちに再会し、どこか懐かしい気分になったほどです。

シュヴルーズの街中

橋を渡り、街の中心部に足を進めます。

シュヴルーズの町中にあるパラソルで飾られた一角

シュヴルーズの街中に来ると、パラソルが空に浮かび上がっているのが、目に入りました。「これは何−?」と、ウキウキした気分に。

空を見上げるとパラソルが鮮やかに並ぶシュヴルーズの街並み

傘のアーケードの下に来てみると、秋の青空の下に、色とりどりの傘がぶら下げられている光景は、まるで絵本の世界のような可愛らしさ。観光でここを訪れる人は皆足を止め、この光景をパチリとカメラに納めていました。

シュヴルーズの中心地サン・マルタン教会

シュヴルーズの街中にはベージュやクリーム色の温かみのある石造りの建築物が立ち並びます。パリの近郊の街なのに、どこか南仏の小さな村を思い出させてくれます。

シュヴルーズの中心地サン・マルタン教会の横を通り、高台の上にあるマドレーヌ城を目指します。

見渡しの良いマドレーヌ城

シュヴルーズの廃墟の城マドレーヌ城

小道を抜け、山道のようなところを通ると、マドレーヌ城に辿り着きました。マドレーヌ城は11世紀から14世紀にかけて建設され、現在は廃墟となっています。城壁と石垣のみが修復されています。城内を見学することができて、当時の様子が少し垣間見ることができます。

マドレーヌ城から見下ろすシュヴルーズの風景

マドレーヌ城からは、シュヴルーズの街並み、そしてこの街を囲む自然を一望することができます。この景色を見るために、ハイキングでわざわざ訪れる人々も多く、この街の名所のひとつとなっています。ハッとさせられるような絶景とは違いますが、豊かな自然の景色が見渡す限り続き、素朴な風景に心洗われる思いがします。フランスの田園詩的な魅力に、いつまでも眺めていたいような想いに駆られるほどなのです。

シュヴルーズ名産のシロップ

パリ郊外の街シュヴルーズ名産のシロップ屋さん

マドレーヌ城を後にし、再び街中に戻ります。シュヴルーズは、L’Alchimiste Artisan Siropierという名のシロップ屋さんが有名なので、お店に立ち寄ってみました。ここはオーナーが一人で作る自家製シロップ専門店。店内の奥のアトリエでシロップを作っているのだそうです。

シュヴルーズの名産シロップのかわいい瓶が並ぶ

日本ではあまり馴染みがない飲み物ですが、フランスでは、子どもから大人まで、誰もがシロップが大好き。カフェのメニューにも必ずあるほどで、ジュース感覚で飲んでいます。

ここではスーパーでは見かけない、シナモン風味のももシロップやスミレのシロップなどのちょっぴり変わった味のシロップがたくさんあります。どれも美味しそうで、悩む…。どの味にしようかじっくり考えながら、うちに連れて帰るシロップを選びます。

L’Alchimiste Artisan Siropierでは、カフェも併設されていて、自家製シロップやシロップアイスをいただくことができます。外のテラスでは、美味しそうな匂いに惹きつけられ蜜蜂がたくさん集まっていたほどです。

シュヴルーズ産の乳製品の販売も

シュヴルーズ名産は乳製品でも有名。牧草を食べる牛たち。

シュヴルーズには、牧草地が広がっています。帰りの車の中からは、気持ち良さそうに、馬や牛がのんびりと草を食べるフランスならではの田園風景が目に入りました。ここには、地元産の乳製品の直売所もあります。絶対に美味しいだろうなぁという直感が働いて、帰り道に直売店Ferme de Coubertinに立ち寄ってみました。

この直売店では、子どもたちが牛にエサをあげることができたりと、動物たちに触れ合う機会もあり、多くの人で賑わいをみせていました。街中では飲むことのできない、搾りたての牛乳や採りたての卵、そしてここで作られたチーズやヨーグルトなどが販売されていて、自然の恵に溢れていました。チーズを何種類かお土産に購入。うーん、やっぱり直売店のチーズは美味しい。ワインのおつまみとしていただきました。すっかりお腹も満足です。

パリ近郊にこのような緑溢れるのどかな村があったなんてと驚いたほど、都会とは全く違う、ゆったりとした時間が流れているように感じられました。それに、パリとは違い、空気が美味しい−。それに食べ物も!シュヴルーズでは、ひととき日常を離れ、のどかな田舎の世界へと誘ってくれます。

 

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