
フランスには、小さくても魅力的な街や村がたくさん存在します。絵本に出てくるような可愛らしい街並みや、どこか懐かしさが感じられる素朴な風景があります。そんなフランスの小さな街を散歩するこのシリーズ。今回はロワール渓谷に位置する小さな村シノンにご案内いたします。
新緑の間を爽やかな風が吹き抜ける5月のフランス。初夏の香りを感じながら、ロワール川沿いに位置する小さな村シノンを訪れました。日本でシノンはなかなか聞きなれない村かもしれませんが、フランスではワインのちょっとした名産地として有名です。
シノン城

シノンの村に足を踏み入れるとまず目に入るのが、シノン城。ロワール川の村には多くの城がありますが、シノンも例外に漏れず、眩いばかりの立派な城がそびえ立っています。

シノン城はその歴史は長く、ローマ時代の城塞を基にして建設された城なのだそう。ロワール渓谷の中でも最も古い城と言われています。シノン城の歴史の中で有名なのが、ジャンヌ・ダルクが神のお告げを聞き、イギリス軍からオルレアンを救うために、シノン城を訪れた歴史的出来事。シノン城はジャンヌ・ダルクがフランス国王シャルル7世に面会した場所。ジャンヌ・ダルクは王から軍を与えられ、オルレアンを救った話は有名です。


シノン城は村の高台に位置し、街全体を見下ろすことができます。銀色の屋根が美しいシノンの村、のんびりと流れるロワール川、その横にそびえたつ緑の木々。ここから眺めているとゆったりとした平和な風景が目に入り、どこか心が癒されるようです。
ロワール川

シノン城を後にして、ロワール川の辺りまで降りてみました。川沿いは散歩道が整備されていて、自転車でロワールの村を巡る人やジョギングする人、地元の人が散歩する姿がありました。
大河がゆったりと流れているからでしょうか。ロワール川を訪れる度に感じるのが、ゆったりとした空気感。ロワール川沿いでは日常の喧騒から解放されてのんびりと過ごすことができます。

初夏のこの季節は散歩道を歩くのが最適な季節で、気持ちよく散歩をすることができます。青空の下、陽射しがきらきらと川面に輝きながら、散歩道の美しい木々や街並みを映し出す風景は、飽きることなく眺めていられるほど。肌暑さを感じながらも、時折涼しい風が吹き、心地よさを感じることができます。
街並み


シノンの中心部は決して大きくはありませんが、ロワール沿い独特の白い石造りの建築物が立ち並んでいました。陽射しが当たると、この白い建物は眩いばかりに美しい。ロワール川沿いの建物は、かつてフランスの一時代を築いたことが今でも感じられるほど、気品溢れる美しさが残っています。


この地域は、フランスの薔薇の名産地として有名です。シノンの街にも、薔薇の植栽が多くありました。壁にバラを誘引させているおうちが多くあり、壁を伝って咲くバラと白色の石造りの建物の景色は本当に美しい!訪れる人の多くが足を止めて、写真にその景色を納めていたほどです。薔薇で装飾されると、街そのものがより色鮮やかで、活気に満ちている印象を受けました。
ワイン

シノンのワインは日本ではあまり聞き慣れないかもしれませんが、ちょっとしたワインの名産地なのです。街の外れには、ワイン畑が広がっていました。シノンだけでなく、お近くの街ソミュールやサン・ニコラ・ド・ブルグイユなど、この地域一体はワインの生産地なのです。多くのワイナリーがあるので、お気に入りのワインを求めてこの地域を訪れるのも楽しみのひとつです。
シノンはロワール川沿いならではの魅力を堪能できる街。この地域ならではの、街の美しさやゆったりとした空気感にどこか心が癒されます。