
一年で最も大切な家族行事のクリスマスが過ぎました。日本ではお正月の準備に向けて忙しい年の瀬の時期ですが、フランス人はどのように過ごしているのでしょうか。フランスの年末年始の様子をお伝えしたいと思います。
クリスマスモードが残るフランス


12月25日を過ぎても、街にはクリスマスイルミネーションが残り、クリスマスの名残が感じられるフランス。
テレビではクリスマスが過ぎても、クリスマスの広告が流れていたり、お店やレストランにはクリスマスデコレーションが飾られたりしています。最初、フランスに来たときは、「クリスマスが終わったのになぜ?」とちょっぴり驚いてしまいましたが、フランス人に聞いたところ、「それは、キリスト教の習慣。」とのこと。ヨーロッパのキリスト教では、12月25日から1月6日の公現祭までの12日間のクリスマスが続くとされているのだそう。
そのため、クリスマスツリーも年が明けてから片付けるのが一般的で、私の住む街では一月いっぱいはもみの木の回収車が毎日のように街の中を回っています。クリスマスが終わったからといって、せっかくクリスマスに飾り付けたものをすぐに片付けるのではなく、1月の初めまではクリスマスの余韻を楽しむのです。
年末はゆったりと過ごすフランス
プレゼントの買い物やクリスマス料理の準備にと、一年の中でも最も慌ただしい家族行事が過ぎた後は、年始までゆっくりと過ごすのがフランス人流。クリスマスの後、そのまま新年まで実家に帰郷する人や旅行をする人、様々ですが、この時期は夏のバカンスと違って、アクティブにバカンスを楽しむのではなく、ゆったりとした時間軸の中で、一年の疲れを癒すように、家族や久々に会う友人たちと、のんびりとしたひとときを過ごします。
スキーを楽しむフランス人

この年の瀬の時期に、唯一フランス人が能動的に楽しむアクティビティといえば、スキーです。スキーはフランス人の定番のレジャー。クリスマス休暇から4月頃までスキーを楽しみます。昨年はコロナウィルスの感染拡大防止の為スキー場が閉鎖されてしまったほど、この時期のスキー場は多くの人で賑わいをみせます。
アルプス山脈の麓の街グルノーブルから、車で30分ほどのスキー場に行ってみましたが、目の前一面に広がるゲレンデ、雪化粧された山々の景色を見ただけで、なんだか癒しを感じた程。意外にも、晴れの日のスキー場は太陽の光が強く、真冬とは思えないほど、ぽかぽかとした温かさを感じました。
スキー場には、ソリ専用の滑り場なんかもあって、子どもたちも楽しそうに雪遊びをしている姿が微笑ましく、見ている私もワクワクした程。大人もスキーやスノーボードを楽しむ姿は印象的で、改めてフランス人はスキーが好きなんだなぁと実感しました。
華やかなフランスのカウンドダウン

フランスでは、カウントダウンは、華やかに祝う習慣があります。目覚めを意味するレヴェイヨンと呼ばれる祝宴が開かれます。クリスマスは基本的に家族と過ごしますが、大晦日は友人たちとレヴェイヨンを過ごす人も多くいます。12月31日は、フランスでは日本の年越しそばのような、伝統的な食事はありませんが、牡蠣や海老、フォアグラなど豪華な食事をする人もいれば、美味しいワインやシャンパンを片手に、おつまみのようなオードブルのみをいただく人もいます。レヴェイヨンは明け方まで続くことも多く、カウントダウンのお祭りを楽しみます。
フランスのお正月は静か
大晦日とはうってかわって、フランスのお正月は静寂な雰囲気に包まれます。カウントダウンを華やかに祝うので、その疲れもあり、のんびりと前日の疲れを癒します。日本のようにお正月を祝う習慣もないので、普通の祝日と変わらない感じかもしれません。三が日という習慣もないので、フランスでは1月2日が週末に当たらなければ、仕事始めとなります。
フランスのお正月料理はレンズ豆のスープ

フランスではお正月を特別に祝いませんが、一品だけ伝統的に食べる料理があります。それはレンズ豆のスープ。年の初めに質素なものを食べることによって、その一年が実り豊かになることを願う−。フランスではレンズ豆のスープは年初めの縁起の良い食べ物とされています。クリスマスからレヴェイヨンにかけてのごちそうで疲れた胃腸を労わるのにぴったりの食べ物。実際、お正月にレンズ豆のスープを食べてみましたが、優しく身体に染みわたるようでした。
年末年始はクリスマスの余韻が続くフランス。日本とは習慣も違い驚くこともありましたが、最近では、これがフランスっぽい年末年始だと感じます。