モレ・シュル・ロワン

フランスには、小さくても魅力的な街や村がたくさん存在します。絵本に出てくるような可愛らしい街並みや、どこか懐かしさが感じられる素朴な風景があります。そんなフランスの小さな街を散歩するこのシリーズ。今回はパリから車で1時間の小さな街モレ・シュル・ロワンにご案内いたします。

モレ・シュル・ロワンの街並み

パリから車で1時間、フォンテーヌブローの森にたどり着きます。パリからそう遠くない場所にこのような広大な森があるなんてと驚いてしまうほど、フランスの自然の豊かさが実感させられます。そんなフォンテーヌブローの森の端にモレ・シュル・ロワンが位置します。ガイドブックにも載っていない小さな街ですが、「フランスの最も美しい回り道」にも選ばれたこともある魅力あふれる街なのです。

印象派の画家たちに愛された風景

モレ・シュル・ロワン

モレ・シュル・ロワンのノートルダム教会

モレ・シュル・ロワンの街並み

モレ・シュル・ロワンが、美しい街として有名になったのは、印象派の画家のシスレーが20年以上もこの街に住み、ここで風景画を描き続けたから。街の中心部にはロワン川が流れ、ゆったりとした時間が流れています。美しい中世の街並みが残る街だからという理由で、印象派の画家たちがこの街に住み着いたのではなく、ここにはときどき現れる一瞬の輝きが心に染み込むような不思議な魅力がある街。シスレーが20年以上もこの地に住み、この街の風景を描き続けたわけがわかるようでした。

モレ・シュル・ロワンを流れるロワン川

モレ・シュル・ロワンを流れるロワン川

モレ・シュル・ロワンを流れるロワン川

モレ・シュル・ロワンの街を流れるロワン川沿いは、情緒溢れる景色が残っています。川沿いには、中世の建物や風車が今も変わらず佇んでいます。橋を渡ると、絵葉書の中で描かれているような風景が目の前に広がります。中世の街並みに、柳の枝が川面に垂れ下がっている。何とも言えない情緒的な雰囲気です。

モレ・シュル・ロワンのロワン川は以前は夏になると、川遊びをするフランス人で賑わっていたのだそう。どこかバカンスっぽさが感じられるのは、そのためかもしれません。私が訪れたときは、川釣りをしている人がいました。のどかな空気感が流れています。

歴史が感じられる街

モレ・シュル・ロワンの古い街並み

モレ・シュル・ロワンの古い街並み

モレ・シュル・ロワンの古い街並み

モレ・シュル・ロワンの歴史はローマ時代に遡ります。その後、要塞都市でとして重要な役割を果たしました。門や塔、天守閣があり、かつてはフランス王家の居城の一つとなったのだそう。しかし、ルネッサンスになるとモレ・シュル・ロワンは居城としての役割を果たさなくなっていきました。現在は当時の建築物が一部残っているだけで、ここを訪れるまでモレ・シュル・ロワンは要塞都市だったという事実は知らないほどに、フランス王家の居城は跡形もありません。中世の街並みは現在も保存され、過去の面影が見え隠れするようです。

モレ・シュル・ロワンの有名なお菓子シュクレ・ドルジュ

モレ・シュル・ロワンの有名なお菓子シュクレ・ドルジュ

モレ・シュル・ロワンの有名なお菓子シュクレ・ドルジュ

最後にご紹介するのは、モレ・シュル・ロワンの有名なお菓子シュクレ・ドルジュ。シュクレ・ドルジュはこの街の修道院で誕生した大麦果汁のキャンディです。モレ・シュル・ロワンにはシュクレ・ドルジュの博物館(現在は閉館中)があるほど、この街の名産物なのです。かつてシュクレ・ドルジュを生産していた修道女たちの製法を受け継ぎ、現在も昔ながらのレシピと製法で生産されています。

シュクレ・ドルジュは、この街のノートルダム教会の隣に位置するお店で販売されています。シュクレ・ドルジュはフランスの昔ながらのキャンディということは知っていましたが、この街を訪れた日に初めて食べました。お味はというと、素朴な自然な甘みのするキャンディでした。シュクレ・ドルジュの缶もずっと置いておきたくなるような可愛らしさで、お土産にぴったりです。

モレ・シュル・ロワンの街並み

モレ・シュル・ロワンは街をぶらぶら見て歩いても1時間もかからないほど小さな街です。だけどこの街を歩いていると凝縮されたフランスの歴史が感じられるよう。モレ・シュル・ロワンは、かつて印象派の画家たちが惹かれたように、情緒漂う魅力的な街です。

※この投稿は1年以上前に投稿された記事です