
日本では6月になると梅干しを作ったり、冬に味噌作りをしたり、年に一度旬の時期に保存食をこしらえる手仕事をする人が多いのではないでしょうか。フランスにも、そんな手仕事をする習慣があります。夏は太陽の光を浴びた甘い果実をジャムにする季節。フランスの夏の手仕事ジャム作りについてご紹介したいと思います。
夏は果実の美味しい季節

フランスでは厳しい冬には、りんごや洋梨ぐらいしか、マルシェには並びません。春先から徐々に果実がマルシェに並ぶようになります。夏が近づくにつれ、さくらんぼ、アプリコット、いちご、そして、夏の終わりには黄金色のフルーツミラベル、プライム、いちじくなどが山のように並びます。春から秋にかけて収穫される果実は彩り豊かで、どれも美味しそう。フランスの夏秋色という感じでしょうか、豊かな自然の恵みが感じられる瞬間でもあります。同時に、ミラベルやプライムなどの果実がマルシェに並ぶ風景を見ると、そろそろ夏の終わりの足音が聞こえてくるよう。「そろそろ秋に季節は移り変わるし、最後のジャム作りを急がなければ」と、思う瞬間でもあるのです。
農園で果実狩りも

また春先から秋にかけては、農園が開放されていることも多く、農園でたくさん果実を取りに行くというおうちも少なくはありません。農園で直に収穫するのは、マルシェやスーパーで購入するより安価なので、ここでジャム作りをするために果実狩りをするのは、とても良い機会。ジャム作りをする為に、果実狩りをしている人も多く、「いちごジャムには、バジルの葉を入れると美味しいのよ。」なんて声が聞こえてきたりもするほどです。
パリの郊外にもいくつかの農園があり、週末になると家族連れで賑わいます。そんな我が家も、毎年農園に野菜、果実狩りに行くことは年中行事のひとつ。子どもたちにとって、野菜や果物がどのように作られているか、そして収穫することの大変さなどを知る良い機会なのです。そして何よりも、収穫したての野菜や果実は美味しく、まさに自然の恵を直に感じられる場所でもあるのです。

ジャム作りの為に、家族みんなで果実を収穫することも大切な時間。いちごはまだしも、ブルーベリーなんかは、ジャム作りの為には、かなりの量を収穫しなければなりません。取っても、取っても、なかなか量にならない…。「まだ取らなければならないの〜」という子どもの声にも、「ジャム作りの為に頑張ろう。」と声をかけ、収穫作業を黙々と行います。

収穫した野菜や果実を見て、子どもたちは「すごい量が取れたね〜。」と嬉しそう。こんな大量の果実が収穫できて、子どもたちも大満足。「ねぇねぇ、ひとつだけ食べてもいいでしょう。」なんて、毎年嬉しそうな子どもたちの笑顔が見れる瞬間です。
ジャム作り
おうちに帰ったら、早速ジャム作りを始めます。
まずはフルーツをしっかり洗います。ヘタや種をしっかり取っていきます。アプリコットやミラベル、プライムなどは、勿論皮を残して!この皮がジャムになったときに、良い食感になるのです。

ジャムと砂糖の割合は、フルーツの50%〜100%の砂糖を入れることが目安となっています。甘い甘いジャムではなく、フルーツの甘さを味わいたいので、我が家では砂糖50%の割合でジャムを作っています。煮沸消毒をして、しっかり瓶詰めをして、常温で大体半年ほど保存できています。
果実と砂糖の量を測ったら、1時間ほど果実を砂糖に漬け込みます。苺なんかは、水分が出てきて、見た目からして美味しそう。

そして早速、お鍋でジャムを煮込んでいきます。最初は強火で沸騰させて、そのあとは中火で煮込んでいきます。家中に甘い甘いジャムの匂いが漂ってきます。匂いだけですでに美味しそう。煮込んでいる間にアクを取るのを忘れずに。どれぐらい煮込むかは、果実によるのですが、大体30分ほど煮込んでいます。ちょっと水っぽいかな?という程度でも、冷やしたら、ジャムのとろみが出てくるのでご安心を。

このようにして、いちご、ブルーベリー、ミラベル、アプリコット、いちじくなどのジャムを毎年作っています。煮沸消毒や瓶詰めなど、正直手間がかかりますが、市販のジャムと違って、お砂糖も少なく、果実の味わいがあるので、子どもたちも毎年大喜びで食べてくれます。
フランスの冬は厳しく、なかなか果実が手に入らない。でも、手作りしたジャムを食べると、生命力豊かな夏の香りが感じられるような気がして、温かい気持ちになります。フランスの生活の中で、手作りジャムは、元気の源なのかもしれません。