フージェール城

フランスには、小さくても魅力的な街や村がたくさん存在します。絵本に出てくるような可愛らしい街並みや、どこか懐かしさが感じられる素朴な風景があります。そんなフランスの小さな街を散歩するこのシリーズ。今回はブルターニュに位置する小さな街、フージェールにご案内いたします。

夏の終わりを告げるような涼風が吹くようになった8月下旬。40度近くまで上がることのあった厳しい夏の暑さもひと段落し、ちょっぴり肌寒くて、秋の気配が感じられます。

そんな中、今年の夏、最後のヴァカンスの地ブルターニュに旅立ちました。ブルターニュはフランス人にとって人気のヴァカンスの地。荒々しい自然や遺跡などが残る場所であります。旅の一環で訪れたのは、要塞都市として有名なフージェール。フージェールはブルターニュの中心都市レンヌから50Kmに位置します。

廃墟のフージェール城

フージェール城の内部

フージェールの中で最も存在感を放つのが、フージェール城。この街を訪れたのならば、この城は必ず見て帰らなかればならないというほど、街のシンボル的存在なのです。

フージェールはかつて独立国だったブルターニュ公国の国境に位置する街。11世紀には、防衛のために城の建設が始まりました。16世紀にブルターニュ公国がフランスに合併されるまで、 フージェール城は防衛の役割を果たしたのだそう。その間にいくつもの合戦が繰り広げられました。

フージェール城は3mもの高さのある厚い壁に守られています。弓や鉄砲を撃つための穴、狭間が城壁にいくつも開けられ、当時の緊迫した情勢がひしひしと感じられるようです。

フージェール城の狭間から見える景色

かつては兵士も私と同じようにここに立ち、敵が襲ってくるかもしれないという緊張感の中、ここから外を眺めていたこともあったでしょう。

そんな激動の時代とは一変した現在、狭間から見える景色はのんびりとして緑豊か。心落ち着くようなゆったりとした景色がここにはあります。当時の暮らしを想像すると、平和な世の中であることに感謝を覚えたほどです。

フージェール城の塔からの景色

フージェール城は、数々の戦争で内部はほとんど壊されていますが、13の塔は現在も残っています。塔の内部にも入ることができます。防衛の要のひとつであった塔に登ってみると、フージェールの景色が一望することができます。フージェールののんびりとした風景は勿論のこと、要塞都市としての守りの固さがわかるようになっています。

フージェール城

フージェール城内を歩いていると、壁や廃虚から生い茂る草花が目に入ります。夏という季節がらでしょうか、可愛らしいピンクの花が咲いています。壁の間からも生える草花の生命力が感じられると共に、かつては威厳に溢れっていたフージェール城が、その役目を終え静かに眠る様子が対照的。廃虚ならではの美しさがここにはありました。

フージェールの旧市街地

フージェールの旧市街地

フージェール城を後にして、街の中心部に向かいます。フージェールの旧市街地は高台に位置するので、坂道を登って行きます。

フージェールの裏道

旧市街地には石壁に石造りの建物が立ち並びます。城の世界観がそのまま続くようで、まるで中世にタイムスリップしたように感じられるほど。どこを切り取っても美しい…。

フージェールの鐘楼

フージェールの旧市街地の見どころのひとつは、フランス西部で最古の鐘楼。14世紀の終わりに建築されました。それ以降この街の人々に時を知らせ続けています。街の中でもひっそりと佇んでいます。

ブルターニュの名産のガレット

フージェールで食べたガレット

フージェールのあるブルターニュの名産といえば、蕎麦粉のクレープ、ガレットを食べて帰らない訳にはいけません。ブルターニュのどこの街に行っても、ガレットのレストランが必ずあるほど、ブルターニュの郷土料理なのです。

クラシックのガレットといえば、コンプレと呼ばれるもので、チーズとハムと目玉焼きがのっています。

ブルターニュでは、それ以外にも独創的なガレットがたくさんあって、旅行でガレットを食べるのは楽しみの一つ。今回は、帆立とネギのクリームのガレットを頂きました。ブルターニュは海がすぐ側なので、海の幸のガレットはどれも美味しいのです。

フージェールの街並み

フージェールは城だけでなく、街全体が中世の面影を今に残しています。中世のファンタジーの世界観に浸れる、そんな街です。

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