
街にクリスマスイルミネーションが装飾され、心も浮き立つフランスの12月。街がクリスマス一色となり、フランス人にとって最も慌ただしい季節が始まります。12月の1ヵ月間はクリスマスというイベントを前に、フランス人は準備で大忙し。大きなイベントから小さな習慣まで、フランスのクリスマス準備についてお話してみたいと思います。
もみの木を買ってクリスマスツリーを

11月中旬頃から、花屋やスーパーで、もみの木が販売されます。もみの木を見かけるようになると「もうすぐクリスマスだなぁ」としみじみと感じさせられます。まさにクリスマスの風物詩。多くのフランスの家庭では、フェイクのクリスマスツリーではなく、本物のもみの木を購入します。もみの木が家にやってくると、不思議と大地の香りがして、自然に癒されるような、そんな感覚に捉われるのです。
フランスでは、クリスマスツリーを飾るのは、一般的に12月1日と言われています。この日は、街中でもみの木を抱えて歩く人の姿が多くあります。隣には、クリスマスを心待ちにしている子どもたちの嬉しそうな笑顔があり、子どもたちのワクワク感が伝わってくるほどです。

多くのフランス人は、クリスマスツリーの飾り付けにこだわりを持っています。ご近所の方からは、「クリスマスツリーを飾り付けたから、お茶を飲みに来ない?」と誘われるほど、毎年飾り付けには特別な想いを持っているの様子。毎年テーマを決めて飾り付ける人やアンティークのデコレーションを買い揃えてお気に入りの飾り付けをする人など、それぞれのこだわりや、想いを馳せて飾り付けを楽しむのです。
子どもが楽しみにしているアドベントカレンダー

12月1日からは、日本でもお馴染みになりつつあるアドベントカレンダーが始まります。チョコレートなどのアドベントカレンダーを購入する家もあれば、アドベントカレンダーを手作りする家も。子どもたちにとって、クリスマスまでの間、アドベントカレンダーを開けることは、サプライズが毎日続くようなもの。大好きな習慣のひとつなのです。「今日は何だろう?」と、おやつの時間をいつもより楽しみにしています。
最近では、有名なパティスリーや紅茶ブランドなどもアドベントカレンダーを出したりと、大人もアドベントカレンダーを楽しむようになってきました。
クリスマスプレゼント探し
フランスでは、クリスマスは必ず家族で祝います。日本のように恋人と過ごすというようなロマンチックな雰囲気はありません。どちらかというと、お正月に家族で集まるという習慣に近いかもしれません。遠くに住んでいても、必ず帰郷しなければならないほど、フランス人はクリスマスを家族で過ごすことを大切にしているのです。
クリスマスには家族でプレゼント交換するので、12月になるとプレゼント探しで大忙し。この時期は、どこのお店もクリスマスプレゼント一色になります。「何をプレゼントしたら喜ぶかな」と頭を悩ませながら選びます。フランスでは日曜日は商店がお休みなのですが、12月は特別にオープンしており、土曜日、日曜日は、多くの人で賑わっています。
クリスマスシーズンのお菓子
クリスマス前は、普段とは違ったクリスマスシーズンしか食べれないお菓子がお店に並びます。日本でも人気になりつつありますが、シュトーレンはフランス人も好きなお菓子。シュトーレンと言えば、クリスマスに食べる伝統的なドイツのお菓子というイメージですが、ドイツのお隣にあるフランスのアルザス地方でも伝統的に食べられています。この時期になるとクリスマスマーケットなどでアルザスから来たシュトーレンが販売されているので、お茶のお供に楽しみます。クリスマス前の寒い冬に、温かいお茶いただくシュトーレンは本当に美味しい。どこかホッとする時間です。

フランスでは、この時期にパピヨット(Papillote)というチョコレートがスーパーやパティスリーに並びます。こちらはリヨン生まれのお菓子。チョコレートだけでなく、フルーツの砂糖漬けが入っていることもあります。
パピヨットは、金や銀のキラキラした紙に包んで端が捻ってあるのが特徴。中はメッセージの書かれた紙に直接チョコレートが包まれています。白い紙には名言やユニークな冗談やことわざ、クイズなどが書かれています。例えばこんな言葉が書かれていました。随筆家のジョセフ・ジュベールの名言。目的は必ずしも達成されるために設定されているわけではなく、照準点とか方位点として役立たせるためである。(Le but n’est pas toujours placé pour être atteint, mais pour servir de pont de mire) 食後のコーヒータイムやおやつの時間にパピヨットを食べながら、メッセージを読み、話に花を咲かせる。フランスの12月の暮らしの一コマです。
もうすぐクリスマス。クリスマスの準備に慌ただしい日々が続きますが、この時期にしか楽しめないフランスのクリスマスの暮らしを楽しみたいと思います。