バゲット

私がフランスに住むようになって、「これは、美味しい!」と感動したのがバゲット。日本で食べたバゲットよりも、もっちもちで比べようのない美味しさ。本場のバゲットはやっぱり違うと思ったほどです。今回はそんなフランスのバゲットについてお話ししてみたいと思います。

バゲットのちょっとした歴史

バゲット

2022年にフランスのバゲットはユネスコの無形文化遺産に登録されました。その伝統と技術はフランス文化のひとつとして世界的にも認められる形となりました。

しかし、バゲットがいつ誰が作り始めたのか、その発祥はあまりわかっていないのだそう。ナポレオンの専属のパン職人が、兵士が食べやすいようにと発明したと言われていたり、オーストリアのパン職人がパリでお店を開いた時に、楕円形のパンを売り始めたのがバゲットの発祥だと言われたり、諸説はいろいろあるようです。バゲットは今やフランスの食文化の代表格。しかし、意外や意外、その発祥は謎に包まれているのです。

そんなバゲットですが、1920年代にパリで人気となり、第二次世界大戦後に、都市部から徐々にフランス全土へと浸透していきました。今ではフランスでパンと言えば誰もがバゲットとすぐに思い浮かべるほど、バゲットはフランスの代表的な食文化のひとつとなりました。

バゲットの種類

フランスのパン屋

バゲットは実は何種類も存在するということはご存じでしょうか。初めてフランスのパン屋を訪れたときは、バゲットと書かれたパン以外にも、トラディションやバゲットパリジャンなど、バゲットに似たパンが何種類も並んでいたのを見て驚いたのを今でも覚えています。バゲットって一種類だけじゃないんだ。その後バゲットについて調べてみてわかったのですが、バゲットにはいくつも種類があるではありませんか。日本ではバゲットといえば一種類ですが、本場フランスでは様々なレシピが存在して、バゲットの名も異なるとのこと。フランスのバゲットの世界は奥深い!

バゲットとトラディション

バゲットとトラディション
右がバゲットで左がトラディション

バゲットを語るときに、まず比較されるのが、バゲットとトラディションです。どちらもバゲットなのですが、作り方に違いがあるのだそう。80年代にパンの低品質なパンが出回るようになり、パンの品質を守るために、1993年にフランス政府がバゲット(トラディション)の規定を制定しました。トラデジションは、小麦粉、水、塩、酵母のみで製造すること。また、製造過程で冷凍してはいけない、添加物を入れてはならない、パン屋の工房で製造しなければならないなど、厳格な基準の下、製造されます。

味の違いは、バゲットの表面は柔らかめで、 トラディションはカリッとしていて、中がもちっとした食感。そして、小麦粉の風味も口いっぱいに広がる美味しさ。パンの美味しさを味わえるのは、やはりトラディションのように思います。特に焼きたてのトラディションは口に入れるとほくほくで小麦粉の甘さがフワッと広がる美味しさ!そしてもちもちとした食感がなんとも言えません。気がついたらひとりで半分は食べてしまっていた…ということもあるほどです。

バゲットコンクール

2010年パリバゲットコンクール優勝店
2010年パリバゲットコンクール優勝店

パリにはバゲットコンクールがあることをご存じでしょうか。パリバゲットコンクールとは、パリ市とパリ商工会議所が毎年パリ一番のバゲットを決めるコンペティションです。バゲットはバゲットではなく、トラディションバゲットが対象となります。優勝者には賞金4000ユーロと1年間大統領の住むエリゼ宮にパンを奉仕する権利が与えられます。

毎年、今年パリで一番のバゲットは…とメディアで話題になるほど、今やフランスの風物詩的なイベントとなっています。実際に、何度かバゲットコンクールで優勝したお店でトラディションを購入してみたことがあるのですが、パリで一番に選ばれるだけあり、なかなかの美味しさでした。

バゲットのサンドイッチが美味しい!

フランスのパン屋で販売されているバゲットサンド
フランスのパン屋で販売されているバゲットサンド

日本ではサンドイッチと言えば、食パンで作られたものが一般的ですが、フランスでは、バゲットのサンドイッチがどちらかというと多く食べられるように思います。勿論、食パンのサンドイッチをスーパーで購入することはできますが、パン屋さんで販売されているバゲットサンドとは味が全然違います!

お店によっては、サンドイッチの具材にこだわりがあるパン屋もあり、絶品のサンドイッチに出会うことがあります。以前、美食の街ボルドーを訪れたときに食べた、鴨のバゲットサンドイッチは忘れられない美味しさでした。またフォアグラの名産地としても有名なペリゴーで食べたフォアグラサンドには、バゲットにフォアグラの塊がどんと挟んであったサンドイッチで、フォアグラサンドの美味しさが思い出の味として今でも記憶に残っているほどです。フランス国内を旅すると、地元の食材を使ったサンドイッチに出会うことがあり、バゲットサンドの奥深い世界なのだと実感するばかりです。

フランスを訪れたときは、ぜひバゲットを味わってみてくださいね。次回は自宅で作れるバゲットサンドイッチをご紹介したいと思います。

※この投稿は1年以上前に投稿された記事です