ラ・ロッシュ・ギヨンの街並み

フランスには、小さくても魅力的な街や村がたくさん存在します。絵本に出てくるような可愛らしい街並みや、どこか懐かしさが感じられる素朴な風景があります。そんなフランスの小さな街を散歩するこのシリーズ。今回はイル=ド=フランスに位置するラ・ロッシュ・ギヨンにご案内いたします。

ここは、ノルマンディーとの境にあるイル=ド=フランス圏の村ラ・ロッシュ・ギヨン。モネの家があるジベルニーからも車で15分ほどに場所に位置しています。この村はイル=ド=フランス地域圏で唯一「最も美しい村」の称号を与えられているほど。ラ・ロッシュ・ギヨンは、他の村にはない景観が魅力的な村なのです。

石灰岩の洞窟ハウス

ラ・ロッシュ・ギヨンの巣窟ハウス

ラ・ロッシュ・ギヨンの街を歩いていて、印象的に残ったのが、石灰岩の洞窟ハウスです。なんと、紀元前から人々が石灰石の断崖に洞穴を掘って暮らしたのがこの村の始まりなのだそう。気が遠くなりそうな昔から、ここには人々の暮らしがありました。その頃からのこの村特有の住居様式でしょうか。石灰岩の断崖を掘って、その中に家を建てた洞窟ハウスが立ち並んでいました。

ラ・ロッシュ・ギヨンの巣窟ハウス

洞窟の中に住むなんて太古の時代のお話かと思っていましたが、このように現代の居住様式に合わせて、洞窟ハウスが続いている。どこか神秘的な魅力が感じられます。もちろん設備は私たちの住む家とは変わりはないと思うのですが、洞窟ハウスに暮らすということは、どのような感じなのでしょうか。「夏は涼しくて、冬はやっぱり寒いのかな?」などと、想像を膨らませんながら、足を進めます。

ラ・ロッシュ・ギヨンの街から見えるセーヌ川

少し高台に位置し、セーヌ川が眺められるという環境のおかげでしょうか、ここは静寂な雰囲気に包まれています。車が走る音ひとつも聞こえてこない。目の前にはただ自然が広がるだけ。心地の良い静けさが心にじんわりと残るようです。

ラ・ロッシュ・ギヨンで見つけた落書き

洞窟ハウスは、石灰の岩を削られて作られたもの。道端には、ゴロゴロと石灰岩が落ちていました。道には、石灰岩で描いたちょっとした落書きがありました。恋愛成就を願う落書きなど、なんだか微笑ましい気持ちになりました。

中世の城

ラ・ロッシュ・ギヨンの城

ラ・ロッシュ・ギヨンの大きな見どころは中世の城が現存していること。12世紀に築かれた天守は、かつては敵を見張る役目をしていました。この天守は荒々しい岩の上にそびえ立っています。あえてこのような高台に天守を築いた。当時の緊迫した情勢が目に浮かぶようです。今は戦のない時代となり、以前のような役割はありませんが、村の一番の高台に立つ天守は、現在も村をそっと見守り続けています。

ラ・ロッシュ・ギヨンの城は、現在入館することができます。残念ながら私が訪れたときは、閉館の少し前。ラ・ロッシュ・ギヨンの城のお城を訪れた人たちによると、展望台からの眺めが素晴らしいのだとか。是非とも見てみたいものです。次回訪れるときは、お城にも行ってみたいと思うのでした。

セーヌ川

ラ・ロッシュ・ギヨンの街から見えるセーヌ川

ラ・ロッシュ・ギヨンの街の横をセーヌ川が流れています。晩秋の少し寂しげな空の下、秋色に色づき始めた木々の横をゆったりと蛇行するセーヌ川の景色は美しい。パリ近郊に住む私にとって、セーヌ川は馴染みのある川。でもここから見るセーヌ川はいつもと違った姿で、言葉なく、眺めていたくなります。

そして、高台から田園風景の中を流れるセーヌ川を眺めていると、不思議と心が落ち着きます。何にも邪魔されないで、ただただ自然の中をゆったりと流れていく。当たり前のことなのだけれど、その風景が本当に平和で、なんだか心洗われるような気持ちになったほどです。

街並み

ラ・ロッシュ・ギヨンの街並み

ラ・ロッシュ・ギヨンの街並み

ラ・ロッシュ・ギヨンの街並みは、「最も美しい村」の称号に相応しく、こじんまりとした魅力的な家が立ち並んでいます。美しく手入れされた家もあれば、ちょっぴり煤けている家も。荒々しい自然のすぐそばに建てられている家もあり、そのアンバランスさが、この村の魅力です。

ラ・ロッシュ・ギヨンは他では見られない独自の景観が魅力ということを事前に知っていましたが、本当にその通りでした。セーヌ川の横の高台に立ち並ぶ洞窟ハウスや魅力的な家々、そして街を見守り続ける天守。これらの景色は、現在も不思議と鮮明に記憶の中に焼き付いています。

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