フランスのカフェ

朝カフェに立ち寄ってから仕事に行く–。

何十年もの間この習慣を大切にしているフランス人が多くいます。朝の短いひとときを一杯のコーヒーともに過ごす。そんなフランスの朝のカフェという場所について綴ってみたいと思います。

朝はコーヒー一杯から始まる

フランスのカプチーノ

フランスのカフェは朝7時頃から目を覚まします。まだ昨夜の余韻が残る静かな店内では、定員が椅子を元の位置に戻し、テーブルをセットして、一日の始まりを迎える支度を始めています。そんな店内にぽつりぽつりと、人が集まってきます。コーヒーマシーンが湯気を出し、慌ただしく鳴り響きます。朝のカフェは、必ずといっていいほど、コーヒー一杯から始まります。エクスプレッソ、カフェアロンジェ、カフェクレームなどなど、各々お気に入りのコーヒーを一杯飲みます。フランスの朝のカフェはドアを開けると、静けさの中にコーヒーの香りがふわっと漂ってきます。このコーヒーの香りこそが、朝のカフェの記憶を結びつけてくれるのです。

社交の場

フランスの朝のカフェに足を踏み入れると、人々はそれぞれの場所で一日を始めています。カウンターで常連と会話する人やテーブルに座り新聞を読む人、それぞれのお気に入りの位置で好きな時間を過ごしています。スクリーンで見てきた映画のカフェの光景はそのままここにあります。コーヒー一杯を飲みながら、楽しげに会話を弾ませるフランス人たちの姿を眺めていると、カフェは単なる飲食の場ではなく、社交の場だと感じさせられます。

私の叔父も何十年も朝カフェに立ち寄って、カウンターで一杯のコーヒーを飲み、そこに居合わせた人と会話をし、帰ってくる。大体カフェで見かける顔は常連たち。連絡先を交換するほど深入りする関係ではないのだけれど、ただ朝の何十分という時間をコーヒーと共に共有するのだそう。軽やかな付き合いが朝のカフェには根付いているようです。

好きな時間を過ごすフランスの朝のカフェ

通勤時間が過ぎると、フランスのカフェもひと段落。ぽつぽつと、定年退職をした老夫婦や本を片手にコーヒーを飲む人、パソコンを持ち込んで仕事をする若いフランス人たちの姿が見られます。朝の慌ただしさも過ぎ去り、本を読んだり、夫婦で会話を楽しんだりする様子から、各々好きな時間を過ごす、ゆとりのあるひとときが感じられます。

ゆったりとカフェの朝食を楽しむ週末

フランスのモーニング

週末の朝、カフェで朝の時間を楽しむ家族の姿に出会うことがあります。慌ただしい平日とは違い、穏やかな時間が流れています。

カフェにはモーニングメニューには、クロワッサンやパンオショコラなど定番のパンだけでなく、オムレツやウッフコックなどの卵料理も並びます。飲み物もコーヒーだけでなく、搾りたてのオレンジジュースもつくのがフランス流。

フランスのモーニングをゆっくりと味わいながら、ゆったりとした時間を過ごす。特別なことをしているわけではないけれど、週末のカフェの時間は心穏やかにしてくれる特別なひとときです。

そんなフランス人の朝の風景を眺めていると、日々の暮らしの中にも、ほんの少しのゆとりを持つ時間は大切なのだと教えてくれるようです。

カフェでコーヒー一杯を飲む朝のひとときは、ほんの短い時間ですが、その何気ない時間こそ、人生を豊かにしてくれるように感じます。居合わせた人と会話をする、新聞や本を読む、家族でそのひとときを過ごす。フランスの朝のカフェという場所では、余白を楽しむというフランス人の哲学が感じられるようです。