フランスには、小さくても魅力的な街や村がたくさん存在します。絵本に出てくるような可愛らしい街並みや、どこか懐かしさが感じられる素朴な風景があります。そんなフランスの小さな街を散歩するこのシリーズ。今回はピカルディ地方の河口に位置する小さな街、ル・クロトワにご案内いたします。

ル・クロトワの街並み

先日、フランスの小さな街さんぽ5でご紹介したサン・ヴァレリー・シュル・ソンムの対岸の街ル・クロトワにも足を伸ばしてみました。車を降りて、街の中心部へ向かうと、日曜日だというのに、多くの人たちで賑わいをみせていました。「ル・クロトワにこんなに人が溢れかえるのは久々だよ。」というウェイターの声を聞いたほど。何だか街全体がちょっとしたお祭りムードでした。

カフェのテラスでは、春先の温かな日差しを浴びて、気持ちよさそうに食事をするフランス人たちの姿が印象的。フランスの北部の冬はとにかく厳しく、寒さと曇り空が続きます。

春を心待ちにするフランス人にとって、このような春晴れの日は、喜びが身体中から溢れ出ているよう。みなさん陽気なのです。そんなフランス人たちの姿を見て、私まで心弾むような気持ちになったほどです。

ル・クロトワの可愛らしい街並み

ル・クロトワの街並み

ル・クロトワの街並み

そんな澄むような青空の下、ル・クロトワの街並みは、明るい雰囲気に満ちていました。街も春を待っていましたと言わんばかりに。

ル・クロトワの街並みは、イギリスの影響を受けたような煉瓦造りの建物、パステルカラーの家や伝統的な木材建築などが入り混じっています。どこを切り取っても、葉書の写真になりそうな可愛らしい街並みが続きます。

ル・クロトワの街並み

特に、鮮やかな青の雨戸の家を見ると、港町らしい雰囲気がより滲み出ているように感じられました。

魚屋さんの多い街

ル・クロトワの魚屋さん

ル・クロトワには魚屋さんが多くあります。小さな街なのに、45件ぐらい魚屋さんを見かけました。この街は活気があるなぁと感じられた理由のひとつは、魚屋さんの多さにあるのかもしれません。漁業文化がある街の特有の活気さに触れることができるよう。実際、漁に出て釣った魚をそのまま販売しているお店もありました。

ル・クロトワには魚屋さんでは、Plateau de fruits de merと呼ばれる海の幸のプレートも販売していました。蟹、海老、牡蠣、貝などがてんこ盛りになっているプレートで、フランスではクリスマスシーズンによく食べられます。

ル・クロトワの魚屋さんで購入した海の幸

せっかく港町に来たのだし、新鮮な海の幸を食べたいと思い、借りたアパートで夕ご飯に食べるため海の幸のプレートを購入しました。新鮮な海の幸で、どれも美味しい。想像していたより、かなり量が多く、ひたすら食べても終わらないという事態になってしまいましたが、お腹もすっかり満足の夜でした。

美しい河口と厳しい海

話が少し脱線してしまいましたが、ル・クロトワの街に話を戻しましょう。

ル・クロトワの河口

ル・クロトワの河口

ル・クロトワはサン・ヴァレリー・シュル・ソンム同様に、美しい河口の風景を楽しむことができます。街の中心部には、桟橋があり、ここから河口の風景を眺めます。ル・クロトワは、より海に近く、河口と海の間という感じでしょうか。川が海に交わる瞬間を目にすることができるようです。

ル・クロトワの海

ル・クロトワの中心街から少し北に行くと、もう目の前には海が広がります。河口ならではの繊細な美しさは微塵もなくなり、ただただ厳しい大西洋の海があります。河口の静けさと大西洋の波の激しさ。対局する風景にただただ自然の雄大さが感じられました。

ル・クロトワの名産の焼き菓子

購入したガトー・ヴァチュ

最後にご紹介するのは、ル・クロトワで見つけたソンム湾の名産のお菓子です。フランス語でGâteau battu(ガトー・バチュ)と呼ばれる焼き菓子で、特にル・クロトワで販売されているようです。

Gâteau battu(ガトー・ヴァチュ)は、円筒形をしていて、特徴は黄身とバターが多く使われているということ。普通のこのタイプの焼き菓子に比べて、甘さも控えめですが、バターがしっかり使われているのがすぐにわかるほど、バターの風味が口の中で広がります。

ル・クロトワは、河口でありながら、すぐそばに海があるという環境のおかげでしょうか、街そのものは、港町とはまた違った情緒があります。そして自然の雄大さが心に染み込むように感じられたことが心の中に思い出として今も残っています。

※この投稿は1年以上前に投稿された記事です