フランスには、小さくても魅力的な街や村がたくさん存在します。絵本に出てくるような可愛らしい街並みや、どこか懐かしさが感じられる素朴な風景があります。そんなフランスの小さな街を散歩するこのシリーズ。今回はノルマンディの港町ル・トレポールにご案内いたします。

ノルマンディーの北部にあるル・トレポールは、ピカルディ地方との境界線近くに位置します。フランスの小さな街さんぽでご紹介したサン・ヴァレリー・シュル・ソンムとル・クロトワから車で1時間ほどの港町。旅行の最終日に足を運んでみました。

ル・トレポールの街並み

ル・トレポールに降り立つと、青空を気持ち良さそうに飛び交うカモメたちが、まるでお出迎えしてくれるかのような、鳴き声が響き渡っています。

ノルマンディーの海岸が生んだ白い崖

ル・トレポールの白い崖

ル・トレポールには、ノルマンディー海岸にしか見られない白い崖があります。街中を歩いていても、海外沿いにいても、石灰岩の断崖が目に入り、ル・トレポールの街に静かに佇んでいます。まるでこの街を優しく包み込んでいるかのようです。街は変わっていっても、この白い崖はずっと変わらないであろう。自然の雄大さが感じられます。

ケーブルカーに乗って白い崖の頂上へ

ル・トレポールのケーブルカー

白い崖はちょっとした高さがあり、青いケーブルカーに乗って頂上へ行くことができます。青いケーブルカーに乗ると、街がどんどん小さくなり、海が目に入ります。白い崖のトンネルを通ると、すぐに頂上へたどり着きました。

頂上に降り立つと、まずは強い潮風を肌に感じます。街の中とはまた違った風の強さに少し驚いてしまったほど。

ル・トレポールの崖からの眺め

そして展望台に立つとどこまでも続く海の景色と青空が目の前に広がります。海の繊細に織りなす青のグラデーションがとにかく美しい。かつてフランスの画家たちがここから見える風景に魅了され、絵画として描いた理由がわかるほどです。そして今日のような気持ちの良い青空が広がる日は、眺めも気持ちがいい。心も浄化されるような思いがしました。

街中で見たときは、存在感が感じられた白い崖もここから見ると、大西洋とル・トレポールの街と調和して、美しい景観となっています。

頂上では、ガラス工房のアトリエがありました。ル・トレポールはガラス工場が多くある街として有名なのだとか。残念ながらアトリエは写真撮影が禁止ということで、写真はお見せできないのですが、美しいガラス製品が販売されていましたよ。

旧市街地散歩

ル・トレポールの街並み

ル・トレポールの旧市街地は、イギリスから近いということもあり、イギリスの建築に影響を受けた建物が立ち並びます。一瞬ここはイギリス !?と錯覚してしまいそうになるほど、イギリスっぽさが色濃く反映されています。

ル・トレポールの街並み

ル・トレポールの街は、潮風に晒されて、剥がれ落ちた箇所などもあり、何ともいい具合に街も煤けているのが印象的。この建築物はいつ建てられたものなのだろうと思うような、古さが滲み出ているような建物もありました。

ル・トレポールのサンジャック教会

ル・トレポールで有名な場所と言えば、サンジャック教会。その存在感がしっかりと感じられるように、街の中にどっしりと佇んでいます。

旧市街地を歩いていると、レトロな街並みの中で、港町特有のゆったりとした時間を感じることができるようです。

海岸沿いを散歩

ル・トレポールの海岸にある灯台

ル・トレポールの海岸を歩いていると、ちょっぴり古びた灯台が目に入ります。流れるような薄雲を背景に白と緑の灯台は佇んでおり、何とも言えない港町の情緒が溢れ出ています。

ル・トレポールの海岸のメリーゴーランド

海岸沿いには海風に晒され燻んだメリーゴーランドがあり、どこかノスタルジックな雰囲気が漂っています。冬場ということで、人も少なかったですが、夏になると多くの観光客で賑わいを見せます。メリーゴーランドからは、子どもたちの嬉しい声が響く様子が想像できるよう。

ル・トレポールの冬の海岸

海辺では、ただただ海を眺める人、まだ冷たいのに、裸足になって海に足をつける人、それぞれ、人の少ない冬場の海を楽しんでいる姿が印象的。どこか寂しい冬場の海ですが、春も間近なこの時期の海は、もうすぐ楽しい季節の始まりですよと言わんばかりに、不思議と気分を盛り上げてくれるような雰囲気に満ちています。

ル・トレポールは、ノルマンディ特有の白い崖から感じる自然の雄大さと、港町特有のレトロ街並みを味わうことができます。縁も何もないところなのだけれど、ここを訪れてみて、不思議とどこか懐かしさを覚えるようなそんな感覚に陥りました。ル・トレポールは郷愁を誘う、そんな街です。

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