
フランスの地方や田舎を訪れると、パリの建築とは違ったその地方特有の建築様式があることに驚かされます。フランスは地方ごとに建築のスタイルが異なり、その多様性は興味深いもの。フランスに住む中で地方を度々訪れたときに撮った写真と共に、フランスの建築スタイルをご紹介します。
カラフルな木組みの建築アルザス


アルザス地方を訪れて印象的だったのが、カラフルな木組みの建築が立ち並んでいることです。思わず「可愛い !」という言葉が出てしまうほど、アルザス地方には絵本の世界が現実に存在します。コルマールの街並みは映画「ハウルの動く城」のモデルにもなったと言われているほどでメルヘンチック。アルザス地方はドイツと隣接しているので、ドイツの建築の影響を受けていると言われています。アルザス地方の中心地ストラスブールは勿論のこと、コルマールやリクヴィルといった小さな街で、このカラフルな木組みの建築を見ることができます。
アルザス地方のこの木組みの建築スタイルはコロンバージュ(Colombages)と呼ばれています。木材はオーク材が基本的によく使われていて、木組の空いている部分を漆喰やレンガなどで埋めて壁が作られています。
アルザス地方の特徴として、屋根は急勾配で、積雪を防ぐようになっています。アルザス地方はフランスの中でも冬は厳しく、以前は積雪が厳しいことで有名でした。ですので、他の地方に比べて屋根が急勾配な作りとなっています。
木組みの建築スタイルノルマンディー


ノルマンディー地方もアルザス地方同様に木組みの建築スタイルが有名です。アルザス地方と違うのは、ノルマンディーは白やクリーム色の壁に木組みという組み合わせが多いという印象です。

また赤や茶色の木組みに、クリーム色の組み合わせもあり、温かみのある色調のコロンバージュも多くあります。ノルマンディーのお隣、ブルターニュ地方でも、コロンバージュはよく見られます。
優雅な建築スタイルのロワール地方


ロワール地方はロワール川を中心として栄えました。ロワール川沿いには、歴代のフランス国王の城が立ち並んでいます。アンボワーズ城やシャンボール城など日本でも有名な城はこのロワール地方にあります。ロワール川沿いには、白やクリーム色の石材を使った建築物が立ち並んでいます。ソミュールの周辺の村に行くと、この周辺の建築物に使用されている石材を販売するお店があるほどです。
この石材を使った建築物は、品があって優雅。一つ一石材が丁寧に綺麗に加工されているのが一目でわかります。そして、太陽の光が当たると、眩いばかりの美しさを放っています。
ビタミンカラーのコートダジュール


コートダジュール地方の建築物は、黄色やオレンジ、ピンク等のビタミンカラーが特徴的。
この地方では外観には温もりのある色を使っているのだそうです。アジュール色(鮮やかな青)の海に、コートダジュールの青い空の下、このビタミンカラーの建物はよく映えます。アルザス地方とはまた違った可愛らしさがあります。
コートダジュールやプロヴァンスの石造りの建築物


南仏には、コートダジュールのビタミンカラーの建物以外も石造りの建築物もあります。ひとつひとつ丹念に積まれた石造りの建築物は素朴な美しさがあります。築何百年という石造りの建築物もあり、時が刻まれるほど、味わい深さが増してくるようです。
フランスの地方を訪れると、その地方特有の建築スタイルがあることに驚かされます。例えばアルザスとコートダジュールでは、同じフランスでも全然建築スタイルは異なります。フランスの建築スタイルは本当に豊か。そんな地方ならではの建築物を実際に見るのも、地方を訪れる楽しみのひとつであります。
