
フランスには、小さくても魅力的な街や村がたくさん存在します。絵本に出てくるような可愛らしい街並みや、どこか懐かしさが感じられる素朴な風景があります。そんなフランスの小さな街を散歩するこのシリーズ。今回はイル=ド=フランス地域圏に位置するリスル・アダン/L’Isle-Adamにご案内いたします。
夏休みまであともう少し、バカンスモードが流れる6月の下旬にイル=ド=フランスの保養地として有名なリスル・アダン/L’Isle-Adamを訪れました。パリから車で1時間もかからないのだけれど、パリとは違うのんびりとした空気感が流れる場所。車を降りた瞬間から、初夏の眩しい光と共に、非日常感が漂っているのが感じられました。どこか避暑地を彷彿させるよう。
有名人も愛した保養地

リスル・アダンは、かつて画家のフラゴナールやバルザックなどの芸術家たちに愛された保養地として有名です。街の中を歩いてみると、パリやその近郊とは明らかに違う空気に気がつきます。街を歩く人がせかせかとしていなくて、時間の流れがゆったりとしています。パリからこんなに近いのに、海辺の地方の小さな村を彷彿させるような雰囲気。ここには、そんなゆったりとした雰囲気の中に身を置くために、今でも週末をここで過ごす人も少なくはないのだとか。なるほど、週末だけでもバカンスの雰囲気を感じたいときに、ここを訪れる人の気持ちがわかるようです。
フランス初のビーチ

リスル・アダンには、フランスで初めて作られたビーチがあります。ビーチって海辺にあるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、フランスでビーチというと、川沿いのプールやテラス、様々なアクティビティが楽しめるリゾート地をビーチと呼ぶのだそう。私たちが訪れた6月下旬にはすでにリスル・アダンのビーチは開いていて、長蛇の列ができていたほど。ビーチが目的で来たのではなかったので、中の様子は詳しくわかりませんでしたが、近くを流れる川沿いからビーチの様子を眺めることができました。
ビーチには、南仏やブルターニュの浜辺で過ごすように、ビーチチェアに寝そべってゆったりと過ごしている人の姿が多くありました。ただただ日光浴をしながら、昼寝をしたり、本を読んだり、おしゃべりをして過ごしたり。そんな風景を眺めていると、まるでフランスの海辺のようなだなぁと感じたほどです。
自然豊かな場所



リスル・アダンは緑豊かで自然溢れる場所として有名です。街の中をオワーズ川が流れています。ここではカヌーやクルーズを楽しんだりする人の姿がありました。犬を乗せて一緒にカヌーを楽しんでいる人もいて、なんだかほのぼのとした気持ちになったほどです。

ここでは週末ピクニックをして過ごす人たちも多いのだそう。川沿いには緑溢れる芝生の公園があって、ここでのんびりとお弁当を食べながら、午後の時間を木陰でゆったりと過ごしている人たちの姿がありました。大人はワイン片手におしゃべりに花を咲かせたり、本を読んだり、子どもたちは、木に登って遊んだり、ボール遊びをしたり。フランスのゆったりと休日の風景がここにはありました。
リスル・アダンの街
リスル・アダンにはビーチや緑溢れるオワーズ川以外にも、訪れる場所がありました。

ちょうど訪れた日曜日にはマルシェが立っていました。ここのマルシェはスタンド数も多く魅力的なマルシェとして有名!残念ながら時間がなくマルシェを見て回ることはできなかったのですが、次回はぜひ訪れてみたいなぁと思うほど、外から見ても活気のあるマルシェでした。

リスル・アダンにはお城もありました。シャトー・ド・コンティと呼ばれる城で、1000年以上この地の領主によって引き継がれてきたのだそう。現在の建築物はアルフレッド・デュカンによって建てられたブルジョワの邸宅です。何年も放置されていましたが、2005年にリスル・アダン市が購入し、修復工事のあと、市の複合施設になりました。お城の中には美術館もあるのだそうです。

たった数時間でしたが、リスル・アダンを訪れてみて、有名人も愛した保養地というのがわかるほど、パリの近郊とは思えないのんびりとした空気感が流れていました。私もゆったりとした週末を過ごしたいときには、またここに来たいと思ったほど。他の首都圏の小さな街にはない、心をのんびりさせ、リフレッシュできる癒しの場所です。