
フランスには、小さくても魅力的な街や村がたくさん存在します。絵本に出てくるような可愛らしい街並みや、どこか懐かしさが感じられる素朴な風景があります。そんなフランスの小さな街を散歩するこのシリーズ。今回はパリから日帰りで行くことができる街プロヴァンにご案内いたします。
パリから日帰り旅行で人気の街

秋晴れが気持ちの良い10月の週末、パリから1時間ちょっと車を走らせ、プロヴァンへ日帰り旅行に行ってきました。プロヴァンは中世の街並みが残る街として有名で、いわゆる中世の騎士の世界が感じられる街。パリやパリ郊外の小学生の遠足の街としても人気があります。
プロヴァンの歴史

プロヴァンが栄えたのは、12世紀から13世紀頃。シャンパーニュ伯爵がこの地を統治していました。当時プロヴァンは街道の交差点であったことから、商業都市として栄え、フランス国内だけでなく、ヨーロッパやアフリカ、オリエントの商人が集まるヨーロッパ有数の商業都市となりました。しかし、14世紀頃、街道の変更や戦争、疫病により、プロヴァンは衰退していきます。その後いわゆる忘れられた町となるのですが、そのおかげで歴史的建造物は状態の良いまま保存され、中世の趣が感じられる町として再び日の目を浴びることになるのです。そして2001年には、ユネスコの世界遺産として登録されました。
プロヴァンの街の周りは、要塞が築かれています。外敵から街を守らなければならないというかつての緊張した情勢が感じられます。しかし、門を潜ると、のどかな田舎まちから、中世のおだやかな街へとタイムスリップしたかのように、中世の街並みが目の前日広がります。
街のシンボル、セザール塔

中世からずっとこの街を見守り続けたのがセザール塔です。シャンパーニュ伯爵の権威の象徴であったセザール塔は、この地にしっかりと根を張るようなどっしりとした佇まい。
石造りの建物からは、その長い歴史が肌で感じられます。


最上階まで登ると、街が一望できるようになっています。秋の柔らかい日差しの下、赤や黄色に染まる木々やのどかな田園風景が目の前に広がります。中世と変わらない景色なのではないかと思えるほど片田舎の景色がここにあり、どこか懐かしさを覚える気持ちになります。
中世の街並み


プロヴァンに惹きつけられて多くの人が訪れる理由のひとつが現在も中世の街並みが保存されているからです。木組み建築や石造りの建築が立ち並んでいます。良い感じに屋根も煤けているおかげか、私たちがイメージする中世っぽさが感じられます。街の木々も赤や黄色に色付き、街並みをより美しく彩っていました。
中世の時代劇

プロヴァンが中世の街として人気の理由のひとつが、野外劇場で中世の時代劇を観劇できることです。映画のような馬上槍試合やアクロバットなど、迫力のあるアクションの時代劇が見どころとなっています。シンプルな時代劇なので、大人も子どもも楽しめる内容でとなっていました。
今回ご紹介した以外にも、プロヴァンには、地下道や修道院など他にも中世から残る建造物があります。またプロヴァンは薔薇の街としても有名で、5月頃からバラ園では美しい薔薇が見どころとなっています。薔薇が使われたお土産物も街の名産物となっています。毎年6月には中世時代祭りが開催され、街には中世の衣装に身を纏った人で溢れかえるのだそう。プロヴァンはかつて商業都市として栄えた頃のような活気が感じられると多くの人で賑わいます。

プロヴァンは中世の歴史が感じられる街として人気がありますが、ただただ中世の街並みが残るのではなく、その周りに広がる田園風景に、どこか懐かしさを覚えます。