フランスの田舎の一軒家のヴォレ

フランスの鎧戸、Volet(ヴォレ)をご存じでしょうか。素朴な家に、木製のなんとも言えない味わいのある雨戸。フランスの田舎の家の写真などで見かけたことがある方もいるかもしれません。フランスに住んで感じたことは、ヴォレが美しい外観を作り出す重要な役割を担っているということ。今回はフランスの鎧戸Volet/ヴォレについてお話したいと思います。

ヴォレの役割とは?

フランスの田舎の一軒家のヴォレ

ヴォレというと、おしゃれな鎧戸というイメージですが、フランスの気候に適した役割を果たしているのです。そもそも木製のヴォレが使われるようになったのは、18世紀の終わり頃。当時は今のように冷暖房施設が整っていない時代でした。そんな時代に生まれた木製のヴォレが今もなお使われているのは、「単に伝統的に使われているから」、「おしゃれだから」という理由だけではありません。

フランスのヴォレは寒さからも暑さからも守る役割があると言われています。フランスには日本のように室内にクーラーが取り付けられていません。とはいえ、夏になると気温が30度以上ある日も当たり前になりました。

クーラーが普通にある日本人からすると「そんな暑い日はどうするの?」と疑問に思ってしまいますが、そういう時こそヴォレが活躍します。暑い夏に昼間直接日光が入らないようにヴォレを閉めると、部屋の温度が上昇することはないのです。夕方になり温度が下がり始めると、ヴォレを開けて、冷んやりし始めた空気を部屋の中に入れます。そうして暑さをしのぐのです。

特に木製のヴォレは、金属製のヴォレに比べて、熱を伝えにくいので部屋の温度を上げにくく、現代においても、ヴォレの最適の素材とされているのです。木製のヴォレは、外観を美しくするためだけでなく、木製でなければならない理由があるのです。

また冬にもヴォレは寒さから守る役割をします。フランスでは夜になると必ずヴォレを閉めます。ヴォレを閉めることで、部屋の温度が下がりにくく、暖房の消費を抑えることができるからです。またヴォレを閉めることで、窓際での寒さを感じにくくします。

実際に冬にヴォレを閉め忘れて寝てしまい、朝部屋がものすごく寒く、窓側の壁の結露が発生したことがありました…。ヴォレがいかにフランスの家に必要なものか、ものすごく実感させられました。

田舎で見つけたヴォレ

フランスの田舎の一軒家のヴォレ

ヴォレの役割をお話しましたが、田舎に行くとおしゃれヴォレを見かけます。パリだとヴォレは白や灰色で統一されていることが多いのですが、田舎に行けば、カラフルなヴォレや味わい深いアンティークのヴォレを多く見かけます。ヴォレはそれぞれの家の個性を表しているようです。フランスの田舎で見つけたヴォレをご紹介します。

青や緑のパステルカラーのヴォレ

フランスの田舎の一軒家のヴォレ

フランスの田舎の一軒家のヴォレ

フランスの田舎でよく見かけるのが、青や緑のパステルカラーのヴォレです。白やベージュ色の石造りの素朴な建築物に青や緑のパステルカラーのヴォレが取り付けられていると、手作りの温もりが感じられます。それにパステルカラーのヴォレは、どこかメルヘンチックで、おとぎ話の中の世界観を体現しているよう。可愛らしい印象も与えます。

大胆な色使いのヴォレも!

フランスの田舎の一軒家のヴォレ

フランスの田舎の一軒家のヴォレ

時おり田舎町で見かけるのが、赤やボルドーなどの大胆な色使いのヴォレ。石造りやベージュの素朴な建築物に赤のヴォレが取り付けられると、一際目を引きます。赤というと印象が強い色ですが、それもその家の個性。明るくて活動的な雰囲気に満ちています。

ヴォレと窓辺の装飾

フランスの田舎の一軒家のヴォレ

フランスの田舎の一軒家のヴォレ

フランスの田舎町には、窓辺に植物や置き物を置いて、装飾とヴォレのコンビネーションがなんとも可愛らしい家を見かけます。小さな花壇を置いたり、ときにはヴォレに植木鉢を取り付けたりなんていうお家も。そういう家を見かけると、可愛らしさの中に、温もりのようなものが感じられます。

ヴォレはその家の個性を表現できるもの。家を建築するときに、ヴォレを取り入れてみるのはいかがでしょうか。フランスの片田舎のような美しくて温もりのある家を実現できるはずです。

※この投稿は1年以上前に投稿された記事です