フランスでは毎週開催されている蚤の市から年に何日か開催される蚤の市まで、年間通して多くの蚤の市が開催されます。蚤の市はアンティークや骨董品を購入することができるだけでなく、古いものを大切にするフランス人の精神が感じられる場所。今回はパリの北に位置するクリニャンクール/サントゥアンの蚤の市を散策したいと思います。

サントゥアンの蚤の市の始まりとは?

日本ではクリニャンクールの蚤の市として有名ですが、フランスではサントゥアンの蚤の市(Marché aux puces St-Ouen)と呼ばれています。パリの蚤の市は、サントゥアン、ヴァンヴ、モントルイユが三大蚤の市としてよく知られていますが、サントゥアンの蚤の市が一番歴史ある古い蚤の市。

サントゥアンの蚤の市の歴史はなかなか面白いのでここでご紹介したいと思います。サントゥアンの蚤の市が位置するクリニャクールは、パリと郊外の境界線にあります。かつてここはパリで最後の城壁があった場所でした。今から約150年ほど前の、1870年代にオスマンの大改造でパリを追われた人たちが、この城壁の反対側に住むようになったそうです。この人たちが屑拾いをして、お店を構えるようになったのが、サントゥアンの蚤の市の始まり。1885年に正式にサントゥアンの蚤の市となりました。価値のある骨董品が集まる場所として、パリジャンがごぞって訪れるようになるのです。その後、城壁が取り壊され、古物商は組織化され、新しい「常設市場」が設立するようになり、今のサントゥアンの蚤の市へとなっていきました。

訪れる人を魅了する場所

サントゥアンの蚤の市は、パリの中でも、訪れる人を魅了する場所と言えるのではないでしょうか。サントゥアンの蚤の市は、毎年500万人が訪れるのだそうです。サントゥアンの蚤の市周辺は決して治安の良い場所とは言えませんが、蚤の市に足を踏み入れると、そこは別世界。アンティーク、骨董品が好きな人であれば、ずっと見ていられる!と言う人がいるほどです。パリ旅行で訪れた人も、「また来たい」と思わせる魅力的な場所なのです。

また、サントゥアンの蚤の市は小説や映画の舞台になっていることも多く、最近であればウッディアレンの「ミッドナイトインパリ」のサントゥアンの蚤の市は印象的でした。映画監督も、サントゥアンの蚤の市の他に類をみない独特な風景と雰囲気に、創作心をくすぐられるのではないでしょうか。

サントゥアンの蚤の市の魅力とは?

サントゥアンの蚤の市の魅力といえば、まずは店の数の多さにあるのではないかと思います。なんと7ヘクターの広い敷地に、2000ものお店があります。高級家具や絵画品骨董品から、ガラクタまで多種多様なアンティーク製品が並んでいます。アンティーク好きなら絶対お気に入りが見つかるはず。ここまで多種多様なアンティークが揃うのは、サントゥアンの蚤の市だけなのでは?と思うほど、世界最大級の蚤の市なのです。

またサントゥアンの蚤の市を訪れると、のどかな小さな村にたどり着いたように感じられます。実際サントゥアンの蚤の市のエリアに入ってしまえば、車が通ることはありません。センスよく並べられたアンティークや骨董品が店先に並び、まるでフランスの昔の村を訪れたような感覚になるのです。フランスには古い物を大切にする文化があり、歴史的建築物は大切に保存されています。しかしそういった建築物を訪れても実際は過去の遺産と感じることが多いのですが、ここは時代が変われど、昔と同じ時間が流れているように感じられるのです。

温かい季節の昼時になると、店主たちが集まって、外でワインを飲みながら、昼食を取っている姿を見かけます。その様相はのどかな昔のフランスを彷彿させられます。現代において、こういった姿を見るということはあまりないので、不思議と昔のフランスの村にタイムスリップしたような気分になるほどです。

今回は、サントゥアンの蚤の市の歴史やその魅力をお伝えしました。次回はサントゥアンの蚤の市をエリアごとにご紹介したいと思います。お楽しみに。

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