
フランスの街を訪れると、『花のまち』(Ville fleurie やVillage fleuri)と書かれたプレートを見かけることがあります。このプレートは花のまちコンクールで優秀と判断された街に送られる称号。このプレートが掲げられた街では、花で彩られた美しい街の風景があります。花がある風景は、住む人、そして訪れる人を魅了するので、街づくりの一環と自治体や住民によって、花の街づくりが行われています。今回はそんなフランスの花のまちコンクールについてお話します。
花のまちコンクールとは?

フランスの花のまちコンクールは1959年から始まり、1972年から町村園芸会議( Conseil National des villes et villages fleuris)によってより組織化されるようになってから、年々規模が拡大し、「花のあるまち」が街づくりの一環として根付くようになりました。2023年には4500もの自治体が『花のまち』(Ville fleurie やVillage fleuri)の称号を得たそうです。花のまちコンクールは、4段階で評価されます。審査によって四つ花から一つ花と書かれたプレートが授与され、街の入り口に設置することができます。四つ花の称号を得た街は、まるで街の至る場所に芸術作品のような美しい花が植えられていることが多いのです。
なぜ花のまちコンクールに参加するのか?

花のまちコンクールはフランスでかなり浸透しているように感じられます。私が住む街だけでなく、隣接する街すべてが「花のまち」プレートが市町村の入り口に設置されており、フランスでは多くの市町村が花のまちコンクールに参加していると実感させられます。
では、なぜフランスの市町村は花のまちコンクールに参加するのでしょうか。花のまちコンクールの称号を得ると、地域コミュニティの活性化や街のイメージの向上、地域経済の活性化、エコに貢献することができると言われています。
花のまちコンクールの称号を得た街の多くは、街の公共スペースには年中季節の花や植物が植えられており、街づくり活動が活性化されていると感じられます。それが街の居心地の良さにも繋がっています。
四つ花の称号を得た市町村は、花のある美しい街として観光地化に成功している例もたくさんあります。実際四つ花の称号を得た市町村に訪れたことがありますが、空間デザインが芸術の域に達していて、この空間を見る為にわざわざ訪れる価値があると思ったほどです。
花のまちコンクールの称号を得た街

私が実際過去に訪れたフランスの街で、花のある風景が美しかったと記憶している街は、花のまちコンクールの称号を得た街であることが多いです。

コルマールは、ドイツ国境に近いフランス北東部、アルザス地方に位置する小さな街です。アルザス地方特有の木組み建築が立ち並び、花が美しく街を彩っています。花のある美しい街並みはコルマール特有の景色。この美しい風景を見る為に、毎年多くの観光客がこの街を訪れています。

ロワール地方に位置する小さな村モンソローも、花のまちコンクールの称号を得た村として有名です。モンソローは薔薇が有名な村なので、5月頃から薔薇が村を彩ります。モンソローでは村の公共の場のみが花で彩られているのではなく、住民もまた花のある村作りに参加しており、多くの民家が薔薇で装飾されていました。村全体が薔薇で彩られているのが、この村の魅力となっていました。
花のある街に住んでみて

私が住むパリ郊外の市は、 四つ花の称号を過去に得ています。公園前や散歩道や市の広場などは、常々季節の花が植えられています。市が花のある町作りを意識しているのが感じられるほど、頻繁に花や植物が植え替えられています。町を歩いていると、花のある景色が目に入り、不思議と心が和みます。花があると街並みもより美しくなるので、住み心地の良さを感じます。
フランスでは、2023年までに4500もの自治体が花のまちコンクールに参加していることから、花のある街づくりは、街づくりにおいて重要な役割を果たしています。花のある街づくりは観光業などの地域の活性化だけでなく、住民住みやすさにも繋がっているように感じられます。