アルビタルン川フランスには、小さくても魅力的な街や村がたくさん存在します。絵本に出てくるような可愛らしい街並みや、どこか懐かしさが感じられる素朴な風景があります。そんなフランスの小さな街を散歩するこのシリーズ。今回はオクシタニー地方にあるアルビにご案内いたします。

新緑が街を覆うようになった4月下旬、パリから南に約550kmに位置するアルビという街を訪れました。アルビは、世界文化遺産「アルビ司教都市」て登録されている歴史ある街。その歴史は長く、中世から続く赤煉瓦の街並みが美しいと有名です。

サント・セシル大聖堂

アルビ サントセシル大聖堂

まずアルビを訪れて最初に目に入るのが、サント・セシル大聖堂。世界でも大規模のレンガ造りの大聖堂で、その圧倒的な存在感に誰もが足を止めて、眺めてしまうほど。その有様は、まるで要塞化された城のようです。

サント・セシル大聖堂は、1283年から1493年にかけて建設され、この大聖堂の完成には200年という気も遠くなるような歳月を要しました。フランスの大聖堂の中でも、全長113メートル、幅35メートルもあるという大規模なもの。都市の領主であった司教たちの権力と権威、そしてカタリ派に対する十字軍の後に回復したその支配力を象徴していたと言われています。

アルビ サントセシル大聖堂内部

大聖堂の中に足を踏み入れると、ルネッサンス期の画家たちによる、フレスコ画や装飾に目を奪われます。色彩豊かで、ときにユーモアを感じさせる装飾に心奪われます。

またサント・セシル大聖堂は、ヨーロッパ最大級のクラシカルオルガンが有名。幅16.40メートル、高さ15.60メートル、3,500本以上のパイプがあり、その存在感に圧倒されました。

タルン川

アルビタルン川

街の真ん中を流れるのが、タルン川です。ゆったりとうねるように流れ、新緑に包まれたタルン川は、アルビの美しい景観のひとつ。ただただ静かに流れるタルン川の景色は、眺めているだけでおだやかな気持ちになれるよう。タルン川は春、夏になるとアルビに住む人たちの憩いの場になっているようで、川辺でピクニックを愉しむ人たちの姿がありました。

アルビタルン川

アルビタルン川

タルン川に架かる橋、ポン・ヴィユーは、アルビのアイコン的な存在。11世紀に造られた赤煉瓦の橋は、近くで見ると圧巻。またポン・ヴィユーから見える景色は、ただただ穏やか。いつまでも眺めていたくなるほど、心をゆったりとした気持ちにさせてくれます。

赤い街

アルビの旧市街地

アルビの旧市街地

アルビの街は、トゥルーズのように赤煉瓦の街並みが有名です。フランスの中でも煉瓦造りの街並みは異色。歳月がもたらした、少しくすみのある赤煉瓦作りの建物はどこか情緒を感じさせられます。アルビの建物は、ただの過去の遺産というよりも、古い街並みの中に代々息づく活気が感じられ、それがこの街の魅力のひとつになっているように思われました。

ロートレック美術館

アルビロートレック美術館

アルビロートレック美術館

パリの歓楽街モンマルトルを舞台にしたポスターや人物画で知られるロートレック。ロートレックのムーラン・ルージュのポスターを一度は目にした人は多いのではないでしょうか。ロートレックは、アルビで生まれました。そんなロートレックの美術館がサント・セシル大聖堂のすぐ隣に位置します。ロートレック美術館では、ロートレックの生涯に触れることのできる場所となっています。

マルシェ

アルビマルシェ

アルビマルシェ

アルビの街の胃袋であるマルシェは、建築物も美しく、中に足を踏み入れると、天井が高く開放的な空間となっています。アルビのマルシェでは、ただ野菜やお肉などの食材が販売されているだけでなく、レストランやワインがティスティングできるスペースがあって活気的。どこかお祭りのような非日常感が感じられる場所となっています。

アルビの旧市街地

アルビは、歴史が息づく街であると同時に、活気が溢れる街。アルビの街を思い出すとき、太陽の光、賑やかな空気、この街に暮らす人たちのエネルギーが心に蘇るようです。