
9月も半ばを過ぎ、新学期の慌ただしさも落ち着き出したフランス。朝晩が肌寒くなりましたが、まだまだ日中は半袖で過ごせるほどの暑さが残ります。夏と秋を行ったり来たりするような気候の中、秋の訪れが感じられるのは、食卓です。そんなフランスならではの秋が感じられる瞬間をお届けします。
一足先に秋の幸が並ぶマルシェ

8月の下旬から9月の上旬にかけて、マルシェでは、トマトやきゅうり、ズッキーニなどの夏の野菜の横に、ジロールやいちじく、りんごなどの秋の野菜や果物が並ぶようになります。まだまだ30度を超す日もある中、少しづつですが、秋が近づいてきたのだと感じられる瞬間。同時に、生産者しっかりと太陽に当たって熟れたトマトや異様に大きなズッキーニなどが販売されていて、そろそろ夏野菜も終わりなのだということが実感させられます。夏野菜の隣に、秋野菜が並ぶこの季節は、夏が終わりが感じられて、ちょっぴり寂しさを感じるけれど、同時に日差しが柔らかく過ごしやすい秋への移り変わりが徐々に感じられて、秋を迎える喜びも感じられるのです。
フランス人にとって秋は食の宝庫


この季節は、フランスのマルシェには美味しい食材が溢れています。日本でも、秋の楽しみのひとつが松茸であるように、フランスでは、セップ茸やジロール茸を楽しみます。セセップ茸やジロール茸がマルシェに並ぶ時期はそう長くはないので、秋ならではの食の楽しみのひとつなのです。セップ茸やジロール茸は野生のきのこなので、準備に少し手間がかかります。ブラシなどでくっ付いている枯葉や雑草を一本一本丁寧に取り除かなければなりませんが、セップ茸やジロール茸だけを調理する瞬間は、きのこの香りの中に、どこか森林の自然の香りが漂ってきます。改めて自然の恵が感じられて、ちょっとした幸福感に包まれるほどです。食べ方もとてもシンプルで、バターか油で炒めて、イタリアンパセリを振り、塩をかけて頂きます。


秋は、かぼちゃが美味しい季節でもあります。以前、こちらの記事で紹介しましたが、フランスには多くのかぼちゃの種類が存在します。かぼちゃは基本的にはポタージュスープで食べることが多く、肌寒くなってきた秋に頂くかぼちゃのポタージュスープは、甘味たっぷり。自然なかぼちゃの甘味なので、フランスの子どもたちも大好きです。

またフランスでは、秋の味覚といえば、栗が挙げられます。秋が深まる頃には、森林には栗が落ちていて、栗拾いを楽しむ人の姿が見られます。栗は、フライパンで焼いて食べたり、かぼちゃのポタージュスープに栗を入れて食べるのも◎
ロゼから赤へ
ロゼワインを楽しむことがフランスの夏の楽しみのひとつです。肌寒い秋が到来すると、不思議と身体はロゼを欲しがらず、ワインを飲むなら、自然と赤ワインを選ぶようになります。赤ワインが夕食の食卓に並ぶと、秋だなぁとしみじみと感じるほどです。それに、秋の味覚は、赤ワインと相性も良く、秋のフランス料理をより引き立ててくれます。
そろそろ夏服も仕舞い、コートが必要になると、秋の深まりが感じられます。 セップ茸やジロール茸やいちじくがマルシェに並ばなくなる頃には、寒くて厳しい冬の到来です。秋の始まりは食卓から感じられ、また食卓で秋の終わりを告げます。フランスではこれからが秋本番。この短い秋の期間を食卓で楽しみたいと思います。